【WNVが何故騒がれるのか?】
WNVが1999年に北米に侵入してから2002年には殆どの州で感染者・保ウイルス生物が確認されるほど拡散が早い。また、北米では2002年までの感染者4161名・死亡者277名(CDCのHP参照)という調査結果が出ている。この異常な拡散速度から、日本へ侵入した場合でも同様の拡散傾向を示すのではないかと考えられるため、多くのメディアに取上げられた。
現在、WNVは日本へ侵入し拡散する可能性が極めて高いとされている。これは、以下の理由による。 |
<侵入の可能性が高いとされる理由> |
1) |
アメリカから日本に入港する航空機量が多いため、機内に侵入した保菌したカ類がそのまま日本に侵入する可能性がある。 |
<拡散の可能性が高いとされる理由> |
1) |
日本に生息するカ類での媒介が可能。 |
2) |
媒介するカ類が他の感染症(吸血性カ類が媒介する型のもの)よりも多種にわたる。 |
3) |
多種の鳥類を媒体とする事ができる。 |
以上の点から日本国内でも侵入し広がる可能性が考えられるのである。 |
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上記の拡散の可能性を示唆する内容の中で、媒介可能で主なカ類を以下にまとめた。また、ウイルスに対する感受性に関しても記述した。 |
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表1 媒介可能なカ類(小林睦生,2003) |
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上の表から日本各地で見られる普通種ヒトスジシマカとアカイエカが媒介可能である事がわかる。そのため、WNVは日本各地に広がることが可能と予想されるのである。 |